警察官として13年勤務した私が、女性に警察官をオススメしない理由について、本音でまとめてみました。
オススメしない理由
警察官の仕事
警察官の仕事は、
警察法第二条
警察は、個人の生命、身体及び財産の保護に任じ、犯罪の予防、鎮圧及び捜査、被疑者の逮捕、交通の取締その他公共の安全と秩序の維持に当たることをもってその責務とする
と法律で決められています。
当たり前に思えますが、警察官は法的根拠がなれければ仕事ができません。
当ブログでは、警察官を辞めた話をまとめた記事が一番読まれています。
悩んでいる人が多いですね...参考になれば嬉しいです!


体力的にキツイ
仕事をしてきて一番ツラかったこと、それは「体がついていかないこと」です!
具体的に何がツライのか、解説します。
勤務形態
警察は24時間年中無休なので、交替で勤務にあたります。
多くの県では、
・交番は3交替
・警察署内勤務は毎日勤をしながら週に1度の当直勤務
という勤務形態をとっています。
3交替とは、当番勤務日→非番日→週休→当番勤務日→ という勤務形態を繰り返していく制度。
警察署の当直勤務とは、平日は毎日日勤で、週に1回程、次の日まで警察署に泊まり込む制度です。
勤務上、男性と女性の差はありません。
つまり女性も男性と同じ勤務をしなくてはならないのです。
当たり前だと思われそうですが、現実的には厳しいことが多いんです。
体力の差
年齢が若いときにはあまり実感はないかもしれませんが、年齢を重ねていくと男性と同じことはできなくなります。
私が警察署の刑事課にいたときは、数日帰れないこともありました。
多くの男性には、女性との体力の差が理解できませんし、仕事中に「ムリです」なんて言えません。
このまま定年が65歳、70歳まで伸びたら仕事中に死んでしまうんじゃないか?と思うことも。
数十年後、私は同じことをやっていけるかと自分に問いかけた結果、退職することにしました。
体力に自信のある女性もいるでしょう。
私も学生のころ、運動はできる方だと自負していましたが、現実は甘く有りませんでした。
実際の現場
ケンカなどの荒れた現場に行くとき、「女性だから下がっていればいい」なんてことはありません。
暴れているのが女性であることもよくあります。
男性警察官は、暴れている女性を制圧するのに躊躇します。
理由は、「男の人に無理やり触られた」「わいせつなことをされた」と言われることがあるからです。
私が実際に対応した現場では、
・精神錯乱の女性に掴み掛かられる、顔面を蹴られる
・泥酔者に噛みつかれる
・泥酔した外国人に爪で引っかかれる
・トランスジェンダーの男性に胸ぐらを掴まれる
といったことをされてきました。
ここに書き出したことは全て、よくあることです。
大したケガではないですし、悪質でない限りいちいち逮捕したりはしません。
特に、泥酔者や精神錯乱者の対応は要注意です。
このように、対象者が女性の場合は女性警察官が前面に出て、男性警察官と協力して対応しなければなりません。
逮捕術などの制圧術の訓練やイメージトレーニングは大切です。
独身の女性警察官は使い捨て!?
結婚して子どもがいる女性警察官は多いです。
女性警察官は結婚して子ども産んだら勝ち組!?
警察官は福利厚生が充実しているので、産休や育休はほぼフルでもらえます。
子ども1人あたり約3年の産休育休が取得可能です。
その産休育休の間に1人また1人と子どもを作り、8、9年現場から離れます。
産休育休から復帰しても子どもが全員小学校に上がるまで当直勤務は免除されるので、ヘタをすると10年以上現場で仕事をしていない女性警察官がいます。
ただし、産休育休から復帰しても同じ仕事や同じポジションに戻れる可能性は低く、10年単位でいない人たちのポジションは既に埋まっています。
仕方ありませんが、やったこともない仕事を与えられている人も多いです。
給料も現場に行かなくても当直勤務をしなくても警察官の基本給がもらえちゃいます。
また子持ちの女性警察官は、異動になっても自宅から近い警察署にしてもらえますし、昇任も優遇されます。
これは男性から見ても理不尽な気もしますが。
独身子どもなしの女性警察官は負け組!?
産休育休でいなくなった女性警察官の穴をカバーするのは独身や子どもがいない女性警察官たち。
昔は私も、いずれは自分もこの制度を使うことになるだろうから、お互い様だと思って特に何も思いませんでした。
しかし、採用される女性警察官の数と産休育休でいなくなる女性警察官の数が合っていないので、現場の人数は常に不足しています。
そこをカバーするのが組織の責任だと思うのですが、独身や子どもがいない女性警察官に全てを押し付けてその場しのぎをしていると感じてしまいました。
だいぶイヤらしい書き方をしましたが、実際に私は理不尽を感じてしまったのです...
私は結婚もしないし子どもも必要ない!私はバリバリ仕事するんだ!という心意気のある方、逆に私は結婚して子ども産んでフェードアウトしたいという方には警察はオススメかもしれません。
警察組織が改善しなければならないポイント
私が警察官として勤務した13年の間で、警察の取り扱う事件・事案は増加していると感じます。
詐欺やサイバー犯罪は増加していますし、外国人による犯罪も増えました。
しかし警察官の数は増えていません。
変わらない人数で増加した事件や事案を処理しなければならないのです。
・犬の鳴き声がうるさい
・家の庭に蛇が出た
・家の中にコウモリがいる
・グラウンドで野球をしている声がうるさい
などのくだらない通報をいちいち対応していますが、はっきり言ってキリがないですし、体力が持ちません。
警察として取り扱う事案なのかどうか、どこかで線引きが必要ではないかと思います。
全国的に女性警察官を増やそうとしていますが、組織の有り様を見直さなければ成り手は増えませんし、私のように、組織に見切りをつけて退職する警察官が増えてしまうのではないでしょうか。
また、現場に出たがらない先輩女性警察官もいます。
幹部もそれを黙認している現状です。
そんな先輩を見て入れば当然文句が出ますし、男性からしても、女性は贔屓されていると感じるでしょう。
私も実際に、「女はいいよな」と言われたこともあります。
各都道府県では退職者が増加している状況です。
警察官のなりて不足がニュースになっていますが、警察組織を改革するくらいの意気がなければ、結局はその場しのぎになります。
警視庁では定員割れしているかもというウワサも聞きました。
この組織の有り様では、新卒の若者たちに警察官はいいよ!と勧めることはできません。
組織の上層部は自分たちの保身で足元を見ている余裕がないかもしれませんが、組織への苦言を聞いて改善しようとする気がなければ未来はありません。

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