女性に警察官をおすすめしない理由

警察関連

制服を着た女性警察官、かっこよくて憧れますよね。

「女性警察官になりたいけど、実際のところ仕事はしやすいの?」
「体力的に難しい?」

と思っている人も多いと思います。

私は13年間、女性警察官として勤務してきましたが、結論、女性に警察官はおすすめしません!

  • 女性警察官の役割
  • 女性に警察官をおすすめしない理由3選

についてまとめてみました。
ぜひ最後までご覧ください。

現場での女性警察官の役割

  • ケンカや暴れている現場の対応
  • 性犯罪の被害者対応

ケンカや暴れている現場の対応

ケンカなどの荒れた現場に行くとき、「女性だから下がっていればいい」なんてことはありません。
暴れているのが女性の場合もよくあります。
男性警察官は「男の人に無理やり触られた」「わいせつなことをされた」言われることがあるため、暴れている女性を制圧するのに躊躇します。

私が実際に対応した現場では、このようなこともありました。

  • 精神錯乱の女性に掴み掛かられる
  • 顔面を蹴られる
  • 泥酔者に噛みつかれる
  • 爪で引っかかれる
  • トランスジェンダーの男性に胸ぐらを掴まれる

ここに書き出したことは全て、よくあることです。
大したケガではないですし、悪質でない限りいちいち逮捕したりはしません。

対象者が女性の場合は女性警察官が前面に出て、男性警察官と協力して対応しなければなりません。
逮捕術などの制圧術の訓練やイメージトレーニングは大切です。

性犯罪の被害者対応

女性が被害の性犯罪が発生してしまったとき、女性警察官の出番です。
被害にあった女性の中には、同じ空間に男性がいるだけで恐怖に感じる人もいるため、基本的に被害者の対応は全て女性警察官だけで行うことが望ましいとされています。

  • 事情聴取
  • 婦人科への同行
  • 鑑識
  • 書類作成
  • 写真撮影
  • 現場見分
  • 再現見分

などなど、上げ出したらキリがないほど仕事が山積みになります。

警察署の刑事課、女性の数は1〜5人程度で多くて2割しかいません。
そんな中でも時短勤務の女性は子どものお迎えがあって帰ってしまうので、実働員はもっと少なくなります。
令和6年の不同意性交等、不同意わいせつの発生件数は10,928件です。
単純計算で、警察署1つあたり年間10件の性犯罪を捜査することになります。
1つの事件捜査だけで数か月はかかるのに、毎月のように発生していては身が持ちません。

女性に警察官をおすすめしない理由3選

  • 体力的にツライ
  • ハラスメントがある
  • 子どもがいない女性は買い叩かれる

体力的にツライ

仕事をしてきて一番ツラかったこと、それは「体がついていかないこと」です!
具体的に何がツライのか、解説します。

  • 勤務形態
    多くの県で、交番は3交替、警察署内勤務は毎日勤をしながら週に1度の当直勤務にあたっています。
    3交替とは「当番勤務日→非番日→週休→当番勤務日・・・」という勤務形態を繰り返していく制度です。
    警察署の当直勤務は、平日は毎日日勤で、週に1回程、警察署に泊まり込みます。
    当たり前ですが、勤務上、男性と女性の差はなく、女性も男性と同じ勤務をしなくてはなりません。
    しかし現実は厳しく、徹夜明けの次の日は回らない頭で仕事をすることも多々あります。
  • 体力の差
    若いときにはあまり実感しないかもしれませんが、年齢を重ねていくと男性と同じことはできなくなります。
    私が警察署の刑事課にいたときは、帰宅が深夜になったり帰れないこともよくありました。
    職場で「キツイんで無理です」とは言えません。
    数十年後、私は同じことをやっていけるかと自分に問いかけた結果、退職することにしました。

体力に自信のある女性もいるでしょう。
私も運動はできるほうだと自負していましたが、30代になって現実を思い知らされました。

ハラスメント

ハラスメントの講習会、受けているはずなのにこの体たらくです。

相手は自分の発言や言動がセクハラ、パワハラだとは思っていません。
特に警察は飲み会が好きなので、盛り上げようと時代錯誤な発言をしている人を見かけます。
実際はいちいち相手にしていたらキリがないので、表沙汰にしないだけです。

子どもがいない女性は買い叩かれる

警察官は福利厚生が充実しているので、子供1人あたり3年間の産休・育休がもらえます。
育休の間に1人また1人と子どもができ、8、9年現場から離れてしまいます。
また産休育休から復帰しても、子どもが全員小学校に上がるまで当直勤務は免除されるので、10年ほど現場に出ていない女性警察官もいる現状です。

産休や育休、当直免除の女性警察官の穴をカバーするのは独身や子どもがいない女性警察官たちです。
昔は私も、いずれは自分も子どもを産んだら制度を使うことになるだろうからお互い様だと思っていました。
しかし採用される女性警察官の人数と、産休育休でいなくなる女性警察官の人数の比率が合っていないので、現場の人数は常に不足しています。
そこをカバーするのが組織の責任だと思うのですが、独身や子どもがいない女性警察官に全てを押し付けて、その場しのぎをしていると感じました。

「私は結婚もしないし子どもは必要ない!私はバリバリ仕事するんだ!」という心意気のある方、逆に「私は結婚して子ども産んでフェードアウトしたい」という方にはおすすめかもしれません。

【結論】女性に警察官はおすすめできない

  • 体力的にツライ
    体力面では女性は男性に劣ります。
    しかし男性と同じ給料をもらっているので、同じ量の仕事をしなければなりません。
    若い頃は何とも思わないですが、30を超えたあたりから衰えを感じ出します。
  • ハラスメントがある
    男性が多い体育会系社会です。
    私が拝命した13年前からハラスメント防止と叫ばれていますが、未だになくなりません。
  • 子どもがいない女性は買い叩かれる
    女性警察官に頼らざるを得ない場面は多々あります。
    その中でも子どもがいない女性は優先して呼び出されますし、深夜残業は当たり前です。
    休日に「悪いんだけど、ちょっと出てこれる?」の電話はしょっちゅうありました。

現在女性警察官の中で、「子供がいない女性の待遇の悪さ」について不満が出ている状況です。
実際に私は人事係に「女性警察官の扱いに不満がある」と言って辞めました。
全国的に女性警察官を増やそうとしていますが、人数を増やすどころか退職者が続出しています。

女性警察官の待遇を見直さなければ成り手は増えないでしょう。
しかし警察組織の中で女性は2割しかいません。幹部に2割のために組織を変えることは難しいと言われました。

警察は2割しかいないの女性のために組織改革はしないので、結論、女性に警察官はおすすめしません。

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