警察官に憧れている人の中には「警察官になりたいけれど、向いていないかもしれない」と悩んでいる人もいるかもしれません。
どんな仕事にも向き不向きはあります。
13年間女性警察官として勤務してきた私が、これまでの経験を踏まえて警察官に向いている人・向いていない人の特徴を考えてみました。
警察官になってから「やっぱり向いてない」と思っても辞めるのは難しいので、自分の性格や能力を照らし合わせてみてください。

警察官に向いていない人の特徴9選

- コミュニケーション能力が低い人
- 運動が苦手な人
- 時間にルーズな人
- マルチタスクが苦手な人
- 適度な正義感がない人
- 協調性がない人
- ワークライフバランスを重視する人
- 感謝されたい人
- 高い給料が欲しい人
コミュニケーション能力が低い人
警察官は人の相手をする仕事です。
コミュニケーション能力がないと役に立ちません。
同じ職場でもコミュ力が低い人がいましたが、現場に行っても後ろのほうで成り行きを見ているだけ。正直、そんな人は現場に必要ありません。
わからなかったら聞く。自分で考えろと怒られるかもしれませんが、突っ立てるよりマシです。
コミュ力に自信がなくても、初対面の人とでも沈黙せずに会話ができれば問題ありません。
運動が苦手な人
得意ではないけれども、人並みに運動できれば問題ありません。
運動が苦手な人や運動音痴な人はツライです。運動音痴な人は警察学校で躓きます。
毎朝の10キロ程度のランニングや柔道や剣道、やらかしたときは全体責任で腕立て伏せなど、運動しない日はありません。
いくら正義感が強くても、向き不向きはあります。運動が苦手な人は、警察職員という仕事も考えてみるといいと思います。
時間にルーズな人
社会人であれば当然ですが5分、10分前行動は当たり前。
警察の行う司法手続きでは、時間の把握はとても重要です。
逮捕時間や取調べ時間など、多くの手続きで時間を記載しなければなりません。
警察学校ではイヤというほど10分前行動を促されるので、順応できれば大丈夫です。
マルチタスクが苦手な人
警察の仕事はマルチタスクです。
これは刑事や交通、警備、生活安全、全ての部門に共通していることです。
刑事で例を挙げると、1つの係で1つの事件をずーっとやっている訳ではありません。
事件は毎日のように発生するので、常に1つの係で複数の事件を取り扱っています。
▲▲の事件を捜査中に、■■事件が発生することはしょっちゅうです。
また事件捜査をしている合間に、検視や解剖、ガサなどを分担して処理します。
警察の仕事の全てに書類を作成するという仕事がセットになっているので、検視をすれば検視の書類、解剖をすれば解剖の書類、ガサに行けば捜索差押調書の作成、証拠品の写真撮影など、1つ仕事をする度に1つ以上仕事が増えるのです。
書類は溜まっていくばかりなので、自分で優先順位をつけながら仕事をしなければなりません。
マルチタスクが苦手だと、うまく仕事が回せず周りの人にも迷惑がかかります。
正義感がない人

警察官は「正義感」を持った人が就く仕事です。
大なり小なり、みんな正義感は持っています。
ただし、正義感が強すぎると警察組織のやり方、あり方に疑問を持ってしま、結果辞めてしまうことも。
正義感がなさすぎると不祥事を起こす可能性があります。ある程度正義感があって、組織のやり方に適応した人だけが生き残っていけるでしょう。
協調性がない人
多くの会社と同じように、警察の仕事も1人ではできません。事件の捜査は係で行いますし、交番のお巡りさんも基本的には複数人で勤務します。
1人でできる仕事は、駐在所のお巡りさんか白バイの運転手くらいでしょうか...
駐在所のお巡りさんも白バイの運転手さんも、1人でもある程度の業務をこなせるのが前提です。
警察学校は寮生活なので、一匹狼系の人にとってはツライかもしれません。
クラブや部活、アルバイトなどの経験から、周りと協力して物事を進めるのが好き、または苦ではなかったという人であれば大丈夫です。
ワークライフバランス重視の人

警察もワークライフバランスを重視するという方針ですが、残業や呼び出しは当たり前ですし、事件捜査で忙しいときは休みはありません。
私の印象は「仕事>>>>>>>プライベート」です。
未だに、自分の上司が休日でも仕事に来ていた場合、自分に仕事がなくても出勤するのが当たり前な状態なので、若い人は根を上げてしまいます。
仕事が趣味なタイプは苦に思わないと思いますが、仕事とプライベートはしっかり分けたい人は難しいかも...
私が拝命した13年前に比べれば、ワークライフバランスも理解されつつあると感じるので、良い方向に進むといいですね。
感謝されたい人
警察官は感謝されることが少ない職業です。
私もいろいろな一般人や被害者をみてきましたが、感謝されたのは片手で数えられる程度しかありません。
罵声を浴びてきたことのほうが圧倒的に多いです。今でも「うるさい小娘が!」と怒鳴られたことは忘れません。
その場では優しく対応しますが、内心は衝撃と怒りで震えました。
感謝されることが少ないので、達成感は少なく、身内(組織)の人間だけで喜び合っています。
頑張って仕事をしたら給料が上がる訳でもなく、感謝されることもないとなると、モチベーションの維持が大変です。
感情の波が緩やかで、淡々と仕事ができるタイプの人は向いているかもしれません。
高い給料が欲しい人
警察官の給料は一般的な公務員より高いです。
危険と隣り合わせですから仕方ないと思います。しかし働いた時間と給料が見合っているかというと、そうではありません。
公務員の給料は予算で決まっているので、残業したからといって残業代がすべて支給されることはないです。
バリバリ働いて稼ぎたい人は物足りないでしょう。

警察官に向いている人の特徴7つ

私が思う警察官に向いている人は、警察官に向いていない人の逆に当てはまる人です。
- コミュニケーション能力がある人
常に人を相手にする仕事です。
コミュ力に自信がある人は職務質問や取調べで能力が発揮できるでしょう。 - 平均的な運動能力がある人
スキップができないくらい運動神経が悪い場合を除き、平均的に運動ができれば問題ありません。 - 時間に正確な人
社会人として時間を守るのは当たり前です。
時間にルーズな人は信用できません。 - マルチタスクができる人
器用になんでもこなせる人はどの部署でも重宝されます。
任され過ぎると精神的に参ってしまうので、周りとの連携が大切です。 - 適度な正義感がある人
警察官には正義感が絶対に必要です。
強すぎても、弱すぎてもいけません。 - 協調性がある人
1人でできる仕事はほとんどありません。
みんなで協力して解決に導きます。 - 野心がある人
偉くなって組織を支える、組織を変えるという意気込みがある人はぜひ幹部を目指してください。
まとめ

警察官に向いている人
- コニュニケーション力がある人
- 平均的な運動能力がある人
- 時間に正確な人
- マルチタスクができる人
- 適度な正義感がある人
- 協調性がある人
- 野心がある人
警察官に向いていない人
- コミュニケーションが苦手な人
- 運動が苦手な人
- 時間にルーズな人
- マルチタスクが苦手な人
- 正義感がない人
- 協調性がない人
- ワークライフバランスを重視する人
- 感謝されたい人
- 高い給料が欲しい人
以上、13年警察官として勤務してきた私が「警察官に向いている人・向いていない人」を分析してみました。
将来警察官になりたい人、警察官に憧れる人の参考になれば嬉しいです。
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