【実体験】うつ病で警察官を退職したはなし

警察関連
元警察官えり
元警察官えり

2025年に13年勤めた警察官を退職しました。

下記記事にも書きましたが、メンタルの落ち込みが激しかった時期があります。

当時のことを思い返して、

・なぜうつ病になったのか
・辞めることを決心した理由
・辞めるのって逃げ?

についてまとめてみました。
仕事を辞めたいと悩んでいる人にぜひ読んで欲しいと思います。

13年警察官をしていたけれど異動でうつ病に

2024年春の人事異動で刑事課に配属。
2年のブランクがありましたが、以前も刑事課にいたので「まぁ、なんとかなるだろう」とタカを括っていました。

うつ病のきっかけ

異動前のとある日、日帰り旅行に行きました。

旅行から帰ってきたとき、家族にとある一言を言われたのです。
この一言は大した言葉ではありません。

でも、異動でメンタルが不安定になっていた私にはグサッと刺さりました。

異動期は毎年メンタルが不安定になります。
どこに異動するか、何課に入れられるか、どんな雰囲気か、考えすぎて頭痛や胃痛が起こってしまうのです。

そんな状態の私には耐え難い一言でした。

激務の刑事課へ

私が配属された刑事課、最後まで好きになれませんでした

当時の課長は感情が表に出ず、何を考えているかわからない。
でも気に入らないことがあれば不機嫌になるタイプで、残業や休日出勤は当たり前のスタンスでした。

そんな課長の機嫌を損ねないようにご機嫌伺いをする係長たち。

くだらない数字や実績に翻弄されながら、毎日発生する事件や事案の対応。
毎日かかってくるカスハラの電話。

通常であれば、落ち込むことを言われても日が経てば持ち直すところ。

しかし、忙しい毎日で、メンタルの不調が回復する暇もなく、どんどん落ち込んでいきました。

私は昔から「希死念慮」というものを抱えています。

希死念慮とは、「死にたい」という思いを指しますが、必ずしも直接的に死を希望しているとは限りません。中には「楽になりたい」、「ずっと何もせず眠っていたい」、「消えてなくなりたい」という間接的な思考内容も含まれます。「自殺念慮」という用語も使われますが、希死念慮と類似の思考内容でありますが、その程度は強く、自殺という能動的な行為で人生を終わらせようという考え方を意味することが多いです。

働く人のメンタルヘルス・ポータルサイトこころの耳

物心ついた頃から希死念慮を抱えていたので、普通の人は常に死にたいとは思っていないということに衝撃を受けました。

私は今でも、いつでも死んでもいい、あわよくば死にたいと思っています。
これは積極的に自殺したいという意味ではありません。

ただ刑事課にいたときは、死にたくて死にたくて仕方がなかった。

死ぬ方法も考えましたし、どこで死ぬか、どうやったら死体を見つけられないか、遺書の書き方などいろいろ考えましたし、調べました。

また、刑事をしているとご遺体を見る機会が非常に多いです。

検視とは、人が亡くなったとき、事件性があるかないかを調査することをいいます。

病院などで医者の治療を受けていたが、病死してしまった場合は検視は行いません。
死因は明らかに病死だからです。

ただ、自宅などで突然亡くなってしまった場合は検視が必要です。

外傷はないか、いつ頃亡くなったのか、ご遺体の状態をチェックし、病歴などを調査します。
亡くなった状況に不審点があれれば、検視規則という法律に従って司法解剖の手続きに入ります。

刑事課にいると、検視や解剖なんてしょっちゅうあるので、自分が自殺した場合はどういった手続きが行われるのか全てわかってしまうのです。

自県の刑事さんに検視されるのはイヤだな、隣県で死のうか、やっぱり首吊りがいいかなどいろいろ考えました。

いろいろ考えている時点でまだ余裕はあったのだと思いますが...

仕事をしながらもメンタルは落ち続ける日々

この頃、スマホの検索履歴は「つらい」「死にたい」とマイナスな言葉ばかりでした。

精神科に行くことも考えましたが、毎日仕事に行くだけで精一杯
精神科は数か月待ちは当たり前なので、そんな先のことまで考える余裕はありません。
赤の他人に自分の状態を話すこと自体が苦痛だったので、カウンセリングにも手を出せませんでした。

家でも職場でも笑えなくなり、心配した母親が毎週のように様子を見にきてくれていました。

休日も何もする気が起きず、寝てばかり。
でも眠りが浅いので、夜中に起きてベッド上に座りながら声を殺して泣いていました。

そんな精神状態が2か月程続いたとき、ふと、

何でこんなに頑張る必要があるんだろう?
この仕事にしがみついている意味ある?

と思ったのです。

そのときに、「もう辞めよう」と吹っ切れました。

それからは死ぬ方法ではなく、仕事を辞める方法を調べ始めました。

いろいろな人の体験談や辞めた方法を調べましたが、これがすごくわかりやすい!と思えるサイトがなかったので、自分で辞める方法をまとめようと思い、このブログを始めることにしたのです。

警察官を辞めると決心

辞めると決心してからは、「もう辞めるし。今年が最後。」と思い、どんなに忙しくても割り切って仕事をすることができました。

警察官になってから1番忙しかった1年だったと思います。
忙しすぎて、夏の間の記憶がありません。
ぼんやりと「とにかく忙しかったなぁ...」と覚えている程度です。

それでも、辞めると決心すれば意外とどうにかなるもんだなぁとつくづく思います。
激務の夏を乗り切った後は、辞めるまであと○か月と指折り数えていました。

私はこの程度の症状で済みましたが、あのまま続けていたらどうなっていたのでしょうか。

今まで自分が保護してきた人たちのように、見えてはいけないものが見えたり、暴れたりするようになっていたかもしれませんし、この世にいなかったかも...

私が自殺しなかった理由

私が自殺しなかった理由は、

・この組織に命を捧げる価値はない
・死んでも楽になれる保証がない

と思ったからです。

警察組織のために命を捧げる価値はないと実感

警察官になるために努力したと胸を張って言えますし、警察官だったことは誇りに思っています。

ただ、この組織は私のことを大切にはしてくれませんでした。

現場で働いている警察官を使い捨てにしている。
組織の体質を変えようともしない。
組織を変えようと頑張っている人たちの声は都合が悪いからムシ。

私にはこのように見えたのです。

死んでも楽になれる保証がない

死にたくて仕方がなかった私ですが、自殺しても楽になれる保証がないと気がつきました。

私は母親の影響で、ぼんやりと神道を信仰しています。
全ての物には神様が宿っているから大切にしていこうねという考えです。

小さい頃から、「自殺した人は、自殺したときの苦しみが永遠に続く。」と教えられてきました。

全てを信じきっている訳ではありませんが、楽になりたいから死にたいのに、地獄の苦しみが永遠に続くのは耐えられません。

実際に死んだわけじゃないので、死んだ後のことはわかりませんが、今はまだ生きていようと思います。

警察官で病んでいる人は意外と多い!?

んでいる警察官は以外と多いです。

所属している署や課内で休職している人、いませんか?
絶対にいます。それも複数人。

警察官はプライドが高くて、弱音を吐いたり、相談したりできない人が多いので、溜め込みすぎるんだと思います。

辞めるのではなく、休職するのも1つの手です。
私は、「精神的に病んで休職する人へ向けられる周りからの視線」に耐えられそうになかったので、休職は考えませんでした。

警察官辞めたいけど決心できない人へアドバイス

やりたくない仕事をダラダラと、目処がつかない状態でやり続けるのはシンドイです。
辞めたいと思ったときは、

・もう1年頑張ってみて無理なら辞める
・幹部に悩みを相談しても改善されなかったら辞める
・次の異動で希望のポストや勤務地から外されたら辞める
・僻地や左遷ポストに追いやられたら辞める

というように、辞める基準を決めておいた方が良いと思います。
列挙したこれらは、実際に辞めた元同僚たちから「辞める基準として考えていたこと」だと聞きました。

辞める基準を決めておけば、心の拠り所の1つになりますし、諦めもつきます。

何年も前からパワハラやセクハラはダメだと言われ続けていますが、未だになくなることはありませんよね。
組織が変わってくれることを期待しても、巨大な警察組織が一朝一夕で変わることはできないんです。

【結論】自分を守る方法

ここまで自分の身の上話を書いてきましたが、結論、自分を守る方法は、

シンドイ元凶から物理的に距離をとること

です。

私のシンドイ元凶は仕事だったので、辞めることで距離をとりました。

仕事を辞めたって死ぬ訳じゃない。
イヤなことから逃げるのは負け犬だと思うかもしれませんが、イヤなことから逃げて何が悪いの?
自分の人生じゃん!と私は思います。

自分を守れるのは自分だけです。
支えてくれるのは家族。
組織や会社の人間は身を挺してまで守ってくれませんし、家族のように献身的に支えてもくれません。

警察官を退職して半年以上経ちますが、ふと「やっぱり辞めなければよかったかな...」と思うこともあります。
その後、あのまま仕事をし続けていた未来を想像して、「やっぱり辞めてよかった!」と思い直しています。

イヤなことシンドイことから逃げて、違うことに挑戦するのは勇気がいることです。

チャレンジし続けて、明るい未来を築いていきましょう!

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