警察官を辞めるはなし|辞めた理由や手続きについて解説!

警察関連

令和7年、私は警察官を辞めました。
警察人生13年。その多くを刑事警察で過ごしてきました。
辞めたことを後悔はしていません。

辞めることを決意した理由辞めるときの手続きについてまとめてみましたので、お読みいただけると幸いです。

なぜ警察官を辞めたのか

なぜ退職したのかについて詳しくお話しします。

警察官を辞める方法については↓にまとめていますので、チェックしてみてください!

辞めた理由を簡単に説明すると、
・「うつ状態」になってしまった
・組織に嫌気が差した
からです。

人事異動〜うつ

再び刑事課へ

令和6年、春の人事異動で2年ぶりに刑事へ戻り、同期や知っている人もいない某署の刑事課。
忘れていることやわからないことばかり。
人に助けを求められない性格で、悩みや不安を抱えながら一生懸命仕事をしていたけれど、心がついていかなかった。

帰宅すると涙が溢れる。
風呂場で泣き、布団の中で泣き、泣き疲れて寝る日々。
死にたくて死にたくて、涙が止まらない。
異動から数か月後、ふと、「もっと自由に、自分の人生のために仕事をしたい」と思い、仕事を辞めようと決意。 
それからは吹っ切れて持ち直した。

忙し過ぎて悩んでいる暇もなかったというのもある。

終わらない仕事をやり続けて日付が変わって、誰もいない課の中で残業していても、「もう辞めるし。別にいいか。」の精神で乗り切った。

退職に向けた面談

家族への報告

辞めると決意してしばらくしてから、母親に辞めようと思っていると相談。
母親は「頑張ってきたし、もういいんじゃない」と。

病んでいるときの私を見ているから、母親は何も言わなかった。
病んでいたことについて後々聞くと、「どうしようかと思った。戻ってくれてよかった。」とのこと。
さすがに気づかれていた模様。

父親には母親から伝えてもらうことにした。
父親も辞めることについては納得。
今後のことは心配していたみたいだけれど、私に直接何かを言うことはなかった。
 

上司への報告

11月、直属の上司へ報告。
幸い、自分の担当係は話しやすい班長と係長だったので、まずは班長にメールでアポ取り。

班長は、「さすがにメール来たときは嫌な予感はした」らしい。
その日中に課長、副署長と面談。今どき引き留めはあまりしないようだ。
自県だけかもいれないが…。

課長と面談

課長からは、「自分の人生だから口は出せない。でも仕事できるから来年は違う係に移って仕事をしてもらおうと思っていた。」と言われた。

内心ちょっとの嬉しさはあったが、これ以上忙しくなるのは絶対無理。

今思えば、ここが辞め時だったんだな。

副署長と面談

副署長との面談では、ハラスメント系のお話。
この後も数か月は働くのだから、雰囲気や仕事のしやすさを壊したくはないので、「ありません」と回答。

実際に自分はハラスメントされていなかったが、警察組織は超絶体育会系で男性社会なのでハラスメントがないことは絶対にない。
昔に比べれば減ったとは思うけれど。
さぁ、次は署長と面談。

署長と面談

ドアが開け放たれた署長室の中、大きな声で辞める理由やハラスメント関係、就活について根掘り葉掘り聞かれた。
周りに気づかれない方がおかしい状況。

うちの署長はデリカシーや気遣いはできない人なんだと理解した。
正直、こんな人が署長なの?って引いた。

そもそも今さら、署長や副署長に引き止められて、「やっぱり続けます」なんていう思考にはならないので、何のために面談しているのかいまいちわからない。
その後は人事部との面談。

警察組織への不満

人事担当者との面談

人事担当者からは、
・署から聞いている内容に間違いはないか
・パワハラ、セクハラはなかったか
・署で言いづらいことはないか
との質問だった。

正直、私一人の意見で警察のような大きな組織が体質を改める訳はないし、意見を言っても上層部に届くことはないだろうとわかってはいた。

もう辞める身分で、何も怖いことはない。

まだまだ若い後輩の女性警察官のため、
独身の女性警察官の扱いについて不満がある
と提言。

女性警察官の問題点

警察には当直勤務というものが存在する。

当直とは、6日や7日に1度警察署に泊まり込んで110番通報などの緊急事態に24時間備える制度。
110番通報は1日に何度も何度もかかってくるため、眠れない日もある。
当直が終わった非番の日でも、すぐには帰れず、当直で発生した事件や事故の後処理に追われることも。

女性警察官だから荒れた現場には行かないということは絶対になく、むしろ、対象者が女性や子供の場合は、女性警察官が対応することが多い。

でも、女性警察官の人数は限られている。
その中で、育休や産休で多くが不在、若しくは時短勤務、当直免除を申請している人が多く、現場は人員不足なのだ。

女性警察官不足

不在になった女性警察官の補充はなく、欠員状態になる。
私は独身で、そのしわ寄せを受けてきた。
当県では、子供が小学校に上がるまでは時短勤務が認められ、当直をしなくてもいいという制度がある。

そのため、子持ちの女性警察官の多くはこの制度を利用して当直をしない。
制度として補償されているし、公務員の福利厚生は充実しているため、制度を使うことは仕方がないと思う。

しかし、独身の女性警察官に全てを押し付けて、「私は時短勤務なので残業はしません」と言って、重大事件が起きても帰る人や子供は全員小学生以上だけど、実家や夫の実家に住んでいるけれども「夫の仕事が不規則だから」や、必要があるのかどうかわからない「親の介護」を理由にして当直免除を申請する人がいる。

私には、いかに当直をせずにやっていけるかを考えている人が多いように感じた。

これって子持ち様?

私たち独身者は、日付が超えても帰れなかったり、休みの日に出勤して仕事をしたり、夜間に呼び出しをされていても、独身者に対する感謝や気遣いを感じたことは一切ないので、いわゆる「子持ちさま」だと思ってしまう。

この当直免除の申請は所属長(警察署であれば署長)なので、署長の一存で申請が通ってしまうのも問題で、中には、
・当直免除を許可しなかった悪者になりたくない
・良い人だと思われたい
・恩を売っておきたい
というような所属長もいるらしいが、所属長なんて元々嫌われているのに、今さらなにを言っているのだろうという感じだ。

現場は疲弊しているのだから、よっぽどの理由がない限り一律で当直復帰させるべきだと思う。

この点について、ふんわりと私の意見を述べ、面談は終了。
ここからは最終出勤日まで淡々と仕事をこなすのみ。

最終出勤日〜退職

同じ課の人たちには私が辞めることはバレないように、こちらからは何もアクションを起こさないようにしていた。

最終出勤日の1か月前、仕事の引き継ぎなどもあるため、同じ当直の刑事課員にのみ伝えて誰にも言わないように言い含めたものの、最終出勤日の直前には課員の半数以上が知っていた。
歩く拡声器のような人間はどこにでもいるなと呆れたが、もう関わることもないだろう。

最終出勤日は静かに退庁した。
ルンルンな足取りで嬉しさ爆発だったが、その日の夜には38.5度の高熱にうなされ、10日程寝込んだ。

装備品を返却し、制服や参考資料の始末などを終え、某日「辞職を承認する」と書かかれた辞令を交付され、晴れて無職となった。

警察官でなくなり、肩の荷が降りた気持ちと惜しい気持ちはあったが、がんじがらめだった規則からやっと抜け出せた!という爽快感が大きかった。

その後、仲の良かった人たちが送別会をしてくれた。
面白いことに、報告した人のほとんどが「羨ましい」と口にする。
辞めないでと言ってくれたのは、かつて一緒に組んで仕事をした上司ただ一人。
みんないろんな思いや不満を抱えながら葛藤しているんだなあと実感した。

警察という仕事は忙しくてきつい。
一般的には警察が具体的に何をしているのかはわからないため、理解しづらいところも多いだろう。
それでも現場の警察官の多くは、「被害者のために悪い奴を捕まえてやる!」と見えないところで精一杯頑張っていることは忘れないでおきたい。

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