警察相談専用電話「#9110」とは?利用シーンと110番との違い

警察関連

「近隣の騒音に悩んでいるけれど、110番通報をするほどではない気がする」
「不審な勧誘を受けたが、誰に言えばいいのかわからない」

こういった悩みを抱えていませんか。

今すぐ事件になるような緊急事態ではなくとも、生活の平穏を脅かすようなトラブルは大きなストレスになります。

そんなとき、適切な相談窓口となるのが「#9110」です。

警察に相談するというのはハードルが高いと感じますが、そんなことはありません。私が現職警察官のときも、毎日何かしらの相談者の対応をしていました。

この記事では、110番通報する勇気が出ない方や、警察に相手にしてもらえるか不安な方に向けて、#9110の正しい利用方法を解説します。ぜひ参考にしてください。

警察相談専用電話「#9110」とは?利用シーンと110番との違い

警察相談専用電話「#9110」が持つ基本的な役割と、多くの読者が判断に迷う「110番との使い分け」について解説します。

まずは、サービスの定義を正しく理解し、相談のハードルを下げていきましょう。

#9110で相談できる具体的な内容

警察相談専用電話「#9110」は、緊急ではないものの、警察のアドバイスや介入が必要な悩みを受け付ける専門窓口です。

110番が事件や事故に即座に対応するための緊急回線です。一方、#9110は犯罪や事故を未然に防ぐための相談窓口として設置されています。

具体的には以下のようなケースが相談対象となります。

  • 上の階の足音や話し声が深夜まで続き、眠れない
  • 怪しいセールスや身に覚えのない請求が頻繁に来る
  • 配偶者やパートナーからの暴力、つきまといの初期段階

些細なことかもしれないと遠慮する方も多いですが、そんな必要はありません。生活の平穏が脅かされていると感じるならば、それは警察へ相談すべき案件です。
(参照:政府広報オンライン

110番通報との違いは「今すぐ警察官に来てほしいか」どうか

どちらの番号にかけるべきか迷ったときの判断基準は、「今すぐ現場に警察官が駆けつける必要があるかどうか」です。

110番にかけると通信指令室に繋がり、直ちにパトカーを出動させる手配が進みます。

#9110は警察本部の相談員が電話で対応し、助言を行ったり専門部署への引継ぎを行ったりするための回線です。

110番通報するべきか、#9110に電話するべきかの具体例を表にまとめました。

かけるべき番号陥っている状況
110番今まさに不審者が玄関のドアを叩いている
誰かに追いかけられている
トラブルになって殴られた/殴られそう
#9110昨日、不審者・車を見かけた
不法投棄されたゴミがある
近隣の騒音トラブル

緊急性がない場合に110番を利用すると、真に危険がある通報の妨げになりかねません。緊急ではない相談事であれば、#9110を利用しましょう

電話をかける前に確認!受付時間・通話料のリアル

多くの人が抱く「いつつながるのか」「お金はかかるのか」という疑問にお答えします。

特に通話料に関しては、スマートフォンの「かけ放題プラン」が適用されないケースなどの落とし穴を具体的に解説します。

受付時間は平日の日中が基本

#9110の受付時間は、原則として「平日の午前8時30分~午後5時15分」です。警視庁(東京都)など一部の地域では24時間対応を行っています。

各都道府県の警察本部によって、相談窓口の運用体制や人員配置が異なっているからです。

夜間や土日祝日に#9110へ発信した場合、当直員が対応してくれる地域もあれば、音声ガイダンスが流れて受付時間外であることを告げられる地域もあります。

まずはご自身が居住する地域の警察署ホームページで、「警察相談センター」や「広聴課」の受付時間を確認しましょう

また基本的に警察本部や警察署には、24時間体制で警察官が駐在していますが、夜間や休日は当直員しかいません。

何らかの事件や事故の対応をしていて、駐在している警察官が少なくなっていたり、担当部署の者が現場に出ていて不在だったりすることもあります。

緊急性がない場合は、平日の日中に電話してみると担当部署の警察官に相談できます。

通話料は有料?無料?

#9110への通話は「有料」であり、基本的にフリーダイヤルではありません。

#9110は短縮ダイヤルですが、接続先にはナビダイヤルなどが採用されているケースが多いです。発信者側に通常の通話料が発生する仕組みになっています。

特に注意が必要な点は、多くのユーザーが利用している「かけ放題プラン」や「定額通話プラン」であっても、#9110やナビダイヤル(0570から始まる番号)は対象外となる場合が多いです。

相談内容によっては通話が長引く可能性もあります。想定外の通話料が発生して驚くことがないよう、料金体系を理解した上で架電しましょう

#9110につながらない原因とその他の連絡手段

「電話をしてもつながらないのではないか」「たらい回しにされるだけではないか」という不安もあるでしょう。

つながらない主な理由は「混雑」または「受付時間外」

電話をかけてもつながらない主な原因は、相談窓口の回線が混雑しているか、あるいは受付時間外であるケースがほとんどです。

警察本部の相談窓口といえども、回線数や対応する相談員の人数には限りがあります。

受話器から「プープー」という話し中音が続く場合は、焦らずに少し時間を空けてかけ直しましょう。平日であれば比較的空いている午前中の時間帯を狙ってかけるとスムーズにつながります。

タイミングを変えて再度トライしてみてください。

つながらないときは「管轄する警察署」へ

#9110がどうしても繋がらない場合や、緊急ではないものの早めに相談したい場合は、最寄りの警察署(所轄署)の代表電話にかけてください

#9110は各都道府県の警察本部に設置された相談センターに繋がります。しかし実際にパトロールや指導などの現場対応を行うのは、管轄する警察署です。

インターネットで「〇〇区 警察署 電話番号」や「〇〇市 警察署」と検索し、出てきた代表電話番号にかけます。

交換台が出たら「〇〇トラブルの件で相談したいのですが」と伝えれば、担当部署につないでもらえます。

#9110という番号だけにこだわらず、直接地元の警察署を頼るのもひとつの方法です。

警察ができる限界を理解する

相談時に「冷たい」「動いてくれない」と感じてしまうこともあるでしょう。

背景には、警察の「民事不介入」の原則や、法的な権限の限界があるのです。

警察は、明白な犯罪の証拠がない段階や、個人間の金銭トラブルなどに対しては強制力を行使できません。あくまで当事者への「指導」や「警告」にとどまる場合が多いです。

例えば騒音トラブルであっても、いきなり相手を逮捕することはできません。しかし、警察官から注意してもらうことで相手に心理的な圧力をかけ、状況が改善するケースは多々あります。

「トラブルの記録を残し、警察から注意してほしい」というスタンスで相談すると、担当者ともスムーズに連携できるでしょう。

これまで私が対応してきた中で、今でも印象に残っている困った相談をご紹介します。

「家の中にヘビが出た」「コウモリが部屋の中にいる」といった内容でした。

警察官は害虫や害獣駆除する装備を持っていないので、何もできません。このときは害虫害獣駆除は専門の業者がいますので、という回答をしました。

パニックになって24時間やっている警察に相談するというのもわかります。しかし警察では解決できない問題もあるので、まずは落ち着いて考えるのが大切です。

相談を解決につなげるための事前準備と伝え方のコツ

匿名での相談はできるのかや、どうしたら上手く話ができるかについて解説します。

匿名での相談は可能?

#9110は匿名で相談することも可能です。しかし具体的な解決や警察の介入を望むのであれば、名前や連絡先を名乗ったほうがスムーズに状況が伝わるでしょう。

匿名での情報は信憑性の確認が難しく、警察側も「いたずら」や「虚偽通報」の可能性を排除できません。現場確認や相手への指導といった、具体的なアクションを取りづらくなります。

もしも、トラブル相手からの報復が怖くて名乗れない場合は、相談員に対して「相手には通報者が私だと絶対に言わないでください」と強く念押しをしてください

警察官もその点は十分に配慮し、「パトロール中にたまたま気づいた」といった名目で訪問するなど工夫してくれます。

完全に身元を隠してしまうよりも、警察を信頼して情報を伝えつつ、匿名性の配慮を求めるのが現実的かつ効果的な方法です。

実際に「相手に私が通報したとは言わないで欲しい」という希望はよくあることです。その場合は、誰からの通報かは伝えられない、わからないと言って対応するので、心配する必要はありません。

感情的にならず事実を伝えるにはメモを準備

電話の受話器を取る前に、トラブルの経緯や被害状況をまとめた「5W1Hメモ」を手元に用意しましょう。

トラブルの渦中にいるときは緊張や不安で感情が先走ってしまい、「とにかく辛い」「なんとかしてほしい」という思いばかりを伝えてしまいがちです。

警察が動くために必要な「事実関係」や「違法性」が伝わりづらくなってしまいます。

具体的には以下の項目をメモしておきます。

  • いつ(When): 被害があった日時(例:昨夜の23時頃から2時間)
  • どこで(Where):場所(例:自宅マンションの真上の部屋から)
  • 誰が(Who):相手の特徴(例:40代くらいの男性住人)
  • 何を(What): 被害内容(例:ドンドンと床を叩くような騒音)
  • なぜ(Why):原因に心当たりがあれば(例:以前挨拶をした際に無視された)
  • どのように(How): 頻度や程度(例:週に3回以上、眠れないほどの音量)

メモを見ながら話すことで、相談員も状況を短時間で正確に把握できます

また、このメモはそのまま警察への「被害の記録」としても役立つため、必ず作成してから電話をかけましょう。

まとめ

警察には、毎日さまざまな相談電話がかかってきたり、相談者が来たりします。

生活の中でのトラブルや不安は、一人で抱え込んでいても解決しません。

  • 緊急性がないなら#9110
  • つながらない時は所轄署へ
  • スムーズに伝えるためのメモを用意

上記の3つのポイントを参考に、「緊急ではないけれど、警察に相談したい」というときは、ぜひ#9110を利用してください。

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