「留置場ってどんなところ？」
「何のために入るところ？」
「拘置所とは違うの？」
いろいろな疑問があると思います。
実際に留置場の看守として勤務したことのある私が、
- 留置場と拘置所の違い
- 留置場はどんなところなのか
- 留置場の生活やご飯
- 差し入れできる物
について解説します！ぜひ最後までご覧ください。
留置場と拘置所の違いは？
留置場って？
留置場とは、逮捕された犯人つまり被疑者が勾留される場所です。
勾留とは、警察から被疑者の身柄を送致された検察官が、裁判所に勾留請求を行い、発布された勾留状を執行して被疑者を留置場に拘束することをいいます。
文章だと難しいので、フローチャートを作ってみました。
勾留する必要があるかどうかは、被疑者が、
- 犯罪を犯した疑いがある
- 住所が定まっていない
- 証拠を隠滅するおそれがある
- 逃げる可能性がある
などを総合的に考慮して判断されます。
逆に言えば、
- 犯行を素直に認めている
- 定まった住所があり、監督する家族がいる
- 証拠品を全て提出している
- 定職に就いていて、逃げる可能性がない
などの場合は逮捕される可能性は極めて低くなります。
また高齢者や重病患者で、留置に耐えることができないと判断された場合は釈放される可能性が高いです。
殺人や強盗などの凶悪犯罪の場合、逮捕は免れませんが．．．
拘置所って？
拘置所とは、被疑者が起訴された場合に収容される施設です。
起訴・不起訴については下記記事をご覧ください。
留置場や受刑者が入る施設ではないので、刑務所のような刑務作業はありません。
留置場では警察官が看守員として被疑者の監視を行いますが、拘置所は刑務官が監視を行います。
留置場ってどんなところ？
警察の取調べを受けるため、警察署に設置された留置場に勾留されます。
所持できる荷物は制限されますし、テレビやスマホなどの娯楽用品はありません。
また留置場の規則に従うように指導されます。
留置場での生活は？
留置場に入る被疑者（被留置者）は、
- 就寝時間は連続で8時間
- 朝食と昼食、夕食の時間は1時間ずつ
- 運動はおおむね30分
- 入浴は週に2回
など、全て刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律に記載されているので、それに従って看守は被留置者の動向を監視します。
被留置者は取調べを受ける義務があるので、休憩時間や面会、就寝などの時間を除き、刑事による取調べを受けます。
取調べがないときは、居室内で本を読んだり、手紙や日記を書いたりしている人が多いです。
本は自分で購入できますし、留置場に常備されている本を貸し出してもらえます。
音楽やラジオニュースも流れますし、新聞も読めます。
週に２回、入浴日がありますが、時間制限があるのでのんびりは入れません。
体調が悪くても一般家庭にあるような常備薬は完備されていますし、手錠をしたままになりますが、病院に行くことも可能です。
留置場のご飯は？
留置場の食事は、外部のお弁当屋さんに弁当を発注します。
入札で業者が決まるので、県によって値段やクオリティーに違いはあると思いますが、カロリー計算されたお弁当が届きます。
豪華なお弁当ではありませんが、お弁当屋さんのお弁当なので美味しそうです。
ちなみに残ってしまった弁当があったとしても看守は食べられません。
残った弁当を食べたとして問題になったこともありますね。
アレルギー持ちの被留置者は、アレルギー対応の弁当が注文可能で、青魚アレルギー持ちの場合は、焼きサバが肉団子に変更されます。
また入れ歯の人もいるので、全てのおかずがみじん切りにされた「きざみ食」も存在します。
実は配給されるお弁当の他に、自腹であれば追加で弁当を購入できます。
当県では白飯や丼もの、カレーライスが注文できました。
県によって種類の違いはありますが、自分でお金を払えばお菓子やジュースも買えます。
あられやチョコレートなど種類豊富ですし、カフェオレやオレンジジュースから、シャンプーやリンスなどの日用品、ノートや下着類も購入可能です。
留置場へ差し入れできる物
留置場では、被留置者宛に物を差し入れをすることができます。
しかし差し入れできる物は厳格に決められており、シャンプーや石鹸、食品類は差し入れできません。
中身が本当にシャンプー液や石鹸なのかわからないからです。
また紐付きの洋服やレース付きの下着なども厳しいチェックを通過できた物しか差し入れできません。
理由は、自殺に利用できるからです。
ズボンのウエストを絞る紐はもちろんダメですし、物を隠すことができるため、ウエスト紐の穴が空いている物もダメ。
ブラジャーは使用禁止ですが、数年前からブラトップが使用可能になりましたね。
このように差し入れできない物は多いんです。
もし留置場に差し入れに行かれる場合は、県警のホームページなどで差し入れ可能物品をチェックしてから行かれた方が良いでしょう。
私個人的には、物より現金の差し入れがオススメです。
差し入れでせっかく持って行っても、検閲の結果、持ち帰ることも多々あります。
現金であれば、被留置者の好きな物を好きなように買うことができて悩むことがないのでwin-winです！
まとめ
留置場は「逮捕された被疑者が勾留される場所」で、拘置所とは「被疑者が起訴された場合に収容される施設」のことを指します。
留置場での生活は、刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律に定められたとおりに過ごします。
ご飯もカロリー計算されたお弁当が配られますし、自費でお菓子やジュース、生活用品の購入も可能です。
留置場や拘置所はどういうところなのか、知らない人が多いと思います。
少しはイメージできたでしょうか？
他に知りたいことがあれば、お問合わせフォームからお願いします。
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