2025年に警察官を退職しました。
下記記事にも書きましたが、メンタルの落ち込みが激しかった時期があります。

当時のことを思い返してみました。
同じような悩みがある人の背中を押せればいいなと思います。

異動でうつ病に
2024年春の人事異動で刑事課に配属。
2年のブランクがありましたが、以前も刑事課にいたので「まぁ、なんとかなるだろう」とタカを括っていました。
うつ病のきっかけ
異動前のとある日、日帰り旅行に行きました。
旅行から帰ってきたとき、家族にとある一言を言われたのです。
この一言は大した言葉ではありません。
でも、異動でメンタルが不安定になっていた私にはグサッと刺さりました。
異動期は毎年メンタルが不安定になります。
どこに異動するか、何課に入れられるか、どんな雰囲気か、考えすぎて頭痛や胃痛が起こってしまうのです。
そんな状態の私には耐え難い一言でした。
刑事課へ
私が配属された刑事課、最後まで好きになれませんでした。
課長は感情が表に出ず、何を考えているかわからない。
でも気に入らないことがあれば不機嫌になるタイプ。
そんな課長の機嫌を損ねないようにご機嫌伺いをする係長たち。
くだらない数字や実績に翻弄されながら、毎日発生する事件や事案の対応。
毎日かかってくるカスハラの電話。
通常であれば、落ち込むことを言われても日が経てば持ち直すところ。
しかし、忙しい毎日で、メンタルの不調が回復する暇もなく、どんどん落ち込んでいきました。
希死念慮
私は昔から「希死念慮」というものを抱えています。
希死念慮とは、「死にたい」という思いを指しますが、必ずしも直接的に死を希望しているとは限りません。中には「楽になりたい」、「ずっと何もせず眠っていたい」、「消えてなくなりたい」という間接的な思考内容も含まれます。「自殺念慮」という用語も使われますが、希死念慮と類似の思考内容でありますが、その程度は強く、自殺という能動的な行為で人生を終わらせようという考え方を意味することが多いです。
働く人のメンタルヘルス・ポータルサイトこころの耳
私は物心ついた頃から希死念慮を抱えていたので、普通の人は常に死にたいとは思っていないということに衝撃を受けました。
ちなみにアダルチルドレンでもあります。
私は今でも、いつでも死んでもいい、あわよくば死にたいと思っています。
これは自殺したいという積極的な意味ではありません。
ただ刑事課にいたときは、死にたくて死にたくて仕方がなかった。
死ぬ方法も考えましたし、どこで死ぬか、どうやったら死体を見つけられないか、遺書の書き方などいろいろ考えましたし、調べました。
検視
刑事をしていると、ご遺体を見る機会が非常に多いです。
検視とは、人が亡くなったとき、事件性があるかないかを調査することをいいます。
病院などで医者の治療を受けていたが、病死してしまった場合は検視は行いません。
死因は明らかに病死だからです。
ただ、自宅などで突然亡くなってしまった場合は検視が必要です。
外傷はないか、いつ頃亡くなったのか、ご遺体の状態をチェックし、病歴などを調査します。
亡くなった状況に不審点があれれば、検視規則という法律に従って司法解剖の手続きに入ります。
刑事課にいると、検視や解剖なんてしょっちゅうあるので、自分が自殺した場合、どういった手続きになるのか全てわかってしまうのです。
自県の刑事さんに検視されるのはイヤだな、隣県で死のうか、やっぱり首吊りがいいかなどいろいろ考えました。
いろいろ考えている時点でまだ余裕はあったのだと思いますが...
メンタルの不調
この頃、スマホの検索履歴は「つらい」「死にたい」とマイナスな言葉ばかりでした。
精神科に行くことも考えましたが、毎日仕事に行くだけで精一杯。
精神科は数か月待ちは当たり前なので、そんな先のことまで考える余裕はありません。
赤の他人に自分の状態を話すこと自体が苦痛だったので、カウンセリングにも手を出せませんでした。
家でも職場でも笑えなくなり、心配した母親が毎週のように様子を見にきてくれていました。
休日も何もする気が起きず、寝てばかり。
でも眠りが浅いので、夜中に起きてベッド上に座りながら声を殺して泣いていました。
そんな精神状態が2か月程続いたとき、ふと、
何でこんなに頑張る必要があるんだろう?
この仕事にしがみついている意味ある?
と思ったのです。
そのときに、「もう辞めよう」と吹っ切れました。
それからは死ぬ方法ではなく、仕事を辞める方法を調べ始めました。
いろいろな人の体験談や辞めた方法を調べましたが、これがすごくわかりやすい!と思えるサイトがなかったので、自分で辞める方法をまとめようと思い、このブログを始めることにしたのです。

辞めると決心してから
辞めると決心してからは、「もう辞めるし。今年が最後。」と思い、どんなに忙しくても割り切って仕事をすることができました。
警察官になってから1番忙しかった1年だったと思います。
忙しすぎて、夏の間の記憶がありません。
やりたくない仕事をダラダラと、目処がつかない状態でやり続けるのはシンドイです。
辞めると決心すれば、意外とどうにかなるもんだなぁとつくづく思います。
辞めるまであと○か月と指折り数えていました。
私はこの程度の症状で済みましたが、あのまま続けていたらどうなっていたのでしょうか。
今まで自分が保護してきた人たちのように、見えてはいけないものが見えたり、暴れたりするようになっていたかもしれませんし、この世にいなかったかも...
自殺しなかった理由
私が自殺しなかった理由は、
・この組織に命を捧げる価値はない
・自殺しても楽になれる保証がない
と思ったからです。

組織のために働くのがイヤになった
警察官になるために努力したと胸を張って言えますし、警察官だったことは誇りに思っています。
ただ、この組織は私のことを大切にはしてくれませんでした。
現場で働いている警察官を使い捨てにしている。
組織の体質を変えようともしない。
組織を変えようと頑張っている人たちの声は都合が悪いからムシ。
私にはこのように見えたのです。
ちょっとした信仰心
死にたくて仕方がなかった私ですが、自殺しても楽になれる保証がないと気がつきました。
私は母親の影響で、ぼんやりと神道を信仰しています。
全ての物には神様が宿っているから大切にしていこうねという考えです。
小さい頃から、「自殺した人は、自殺したときの苦しみが永遠に続く。」と教えられてきました。
全てを信じきっている訳ではありませんが、楽になりたいから死にたいのに、地獄の苦しみが永遠に続くのは耐えられません。
実際に死んだわけじゃないので、死んだあとのことはわかりませんが、今はまだ生きていようと思います。
逃げたっていいじゃない!
今でも落ち込むことはありますし、希死念慮が鎌首をもたげてくることもあります。
そんなときは、
・泣いてスッキリする
・やりたくないことは先延ばしにする
・寝る
ことでメンタルの平穏を保っています。
落ち込むこと自体は悪いことじゃないと思うので。
病んでる警察官意外と多い!?
警察官で病んでいる人、割と多いです。
プライドが高くて、弱音を吐いたり、相談したりできない人が多いので、溜め込みすぎるんだと思います。
精神的に壊れてしまうと、治るのに相当な時間がかかります。
結局自分を守る方法は、シンドイ元凶から物理的に距離をとることです。
私のシンドイ元凶は仕事だったので、辞めることで距離をとりました。
仕事を辞めたって死ぬ訳じゃない。
イヤなことから逃げるのは負け犬だと言われるかもしれませんが、イヤなことから逃げて何が悪いの?自分の人生じゃん!と私は思います。
辞めなければよかったと後悔する日がくるかもしれません。
でも警察官だとできなかったことができるようになります。
物事の捉え方次第で状況は変わってきます。
イヤなことシンドイことから逃げて、違うことに挑戦するのは勇気がいることです。
自分のために生きていきましょう!
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